戦争と性と、ときどき娼婦

ダイジェスト

歪んだ体制や緊張による疲弊のケアには風俗は必要不可欠。
風俗が無い世界線こそ地獄。
性病のリスク回避のために国が管理した。

未来ある若い青年のもとに赤紙が届き
親族一同の万歳で故郷を送り出され
国のために勇ましく戦い
そして果てる。

戦争と聞くと
たいていこんな美談を想像しますが。
この文の間のことを
意外と知らない方が多いです。

今回は
そんな英霊の方々の尊厳を傷つけず
でも我々と同じ
人間臭さがあった一面
特に性産業の面から紹介します。

なぜ戦争に風俗が必要なのか?

戦争に性の問題はつきものです。

こう書くと
「そんなわけないだろう!」
「国の為に戦ったんだぞ!」
と言われるかも知れません。

しかし
どんな偉大な兵士さんであれど人間です
一定のサイクルの中で
常にホルモンが働きます。

時にムラムラと性的欲求に駆られ
他の物事に集中出来なくなります。

生きていれば自然に働いてしまうモノです。
欲求に駆られない方が人間として欠落しています。

誰でも抱く=性病=戦線離脱

どうしても性に抗えない人はいます。
人間であり生き物なのですから当然です。

むしろ性に無関心な方が
生物としての機能を欠陥しているのです。

どうしても抱きたい
そんな飢えた目の前に人が居れば
半ば強引に同意を求めて抱くでしょう。

それが性病検査をしていない
私娼ならば性病を感染されます。
そんな事態になれば足手まといになり。
戦力ダウンです。

女性ならまだマシな方です。
これが男性、それも同じ隊の隊員なら。
性病の被害者は2人になります。

後世に残る不名誉

戦力ダウンは勿論。

記録に
「男性隊員二名が性交により離脱」なんて
残されて下さい。

仮に大戦に勝利しても
その武勇伝に汚名が残ります。

戦場以外での人的被害の削減。
国としての権威維持、士気力維持の為にも
いらない事態での失態は避けたかったのです。

もし娼婦がいなかったら?

それでも兵士さんの純血を疑わない方に

もし娼婦がいなかったら?
と言う世界線を紹介します。

歪んだ階級制度にメンタルが参る

軍は階級制度で成り立っています。
努力をすれば出世します。

これがちゃんと機能していれば良いのですが
そうはいきません。

現場でモノを言うのは
早く軍に入ったベテラン兵士です。

いくら出世しようが
年の功で支配するのです。

「現場でモノを言うのは階級じゃない。食った麦飯の量だ」
とは良く言ったものです。

若い現場監督に刃向かう
ベテラン大工を想像すれば良いかもしれません。

隊の統制が取れず内部崩壊し
小さな歪みが各所で起こり
結果
日本軍が衰退した理由の1つがここにあります。

そんな理不尽な現場の愚痴を
遠慮無く吐き散らし
隊には黙ってくれる場所があれば
心の救いになると思いませんか?

娼婦の役割は性行為だけではありません。
良き話し相手としても務めていました。

これだけでも有り難いことです。

終わらない日々、終わらない緊張

戦争の緊張感を手軽に体験できる方法があります

昨今流行りの「APEX」「PUBG」「フォートナイト」など
いわゆるバトルロイヤルゲームですが
これを1プレイやってみてください。

動画配信サイトで楽しそうにやっていますが。
いざやってみると
とても心臓に悪いです。

FPSで戦争を体験

いきなり激戦区に降り銃撃戦をすれば
さほどは気に掛からないのですが。

激戦区からなるべく遠くに降りると
不気味な程に静かです。

最初は手ぶらなので
屋内(空き家)に入り
物資(銃、銃弾など)を探すのですが。

探している時に
突然足音が聞こえます。
敵が同じ建物に入りこんで来ます。

戦うか、やり過ごすか、逃げるか。
迫る足音を危機ながら
限られた僅かな時間で選択します。

これが入る側になると

「不自然にドアだ開いている」
「一瞬足音が聞こえた」

など
全神経を研ぎ澄ませ決断、行動をしなければなりません。

最初は100人からスタートし
残り数人になる頃には10数分。

その緊張が続きます。

ゲーム中に心不全で亡くなった人も

極度の緊張と
集中するあまり無呼吸になるなど。
心臓にかかる負担は実証済みです。

実際、FPSのやりすぎで亡くなった方も居ます。
死因は心不全。

因果関係は明かされていませんが
一度プレイすれば納得できます。

リアルで平常を保ち戦えますか?

実際の戦場ではこれがずっと続きます。
戦争はいつ終わるか分からない。

つねに爆音、銃声に気を張ります。

そしてダメージは
実際に身体に刻み込まれます。

注射を打ったり
包帯を巻いて完治するモノがあるのなら
その開発者はノーベル賞を受賞するべきです。

そんなモノなどありえません。
激痛とその恐怖に怯えます。

ゲームとはほど遠い世界で平穏を保てますか?

世界中にあった公娼制度

同じ問題は世界中でもありました。
こう言った場合
受動的(規制)に走るか
能動的(運営・管理)の2択になります。

規制をしたところで
更に欲求が高まり
もっと大きなトラブルになるだけです。

なのでそれぞれの国では
風俗業の管理をします。

「優れた国家(軍)には優れた性産業の管理が必須」
だと言われるくらい重要視されていたのです。

まとめ

戦争に心の悩みはつきものです。
それを癒やすためには
性産業の協力が不可欠でした。

彼らは日々慰労され
心の平穏が保てたからこそ。
戦い続けることが出来たのです。

執筆後記

なにが英霊だ。
あの時は彼らは
今の私達とかわらない
ただの若者に過ぎなかったのだから。

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吉原

Posted by 時雨宗晴